黒酢は自然醸造
"壺づくり"という伝統的な醸造方法で造られる酢が「黒酢」です。
食酢は製法によって、醸造酢・合成酢・混合酢・果実酢に大別されていますが、黒酢は醸造酢。
しかし一般の米酢が精米を原料としているのに対して、黒酢の原料には玄米を使います。
アマン壺と呼ばれる陶器製の壺に、玄米、麹菌、水を仕込み、自然の中で1年以上かけて醸造するのです。
そのため、米の栄養分が豊富に溶け込み、栄養価も高いのだとか。
ちなみに、この製法でなぜ黒酢ができるのかはいまだ謎。
福山町以外の別の場所で同じ道具、同じ原料で作っても黒酢にはならないそうです。
黒酢は殺菌力も強く、アミノ酸も豊富でまろやかな味覚も備え、江戸時代から日本料理には欠かせない調味料でした。
ですが戦後の食糧事情などの変化により、合成酢やアルコール酢が台頭。
大量生産が難しい自然醸造酢は少なくなっていったのです。
しかし近年、鹿児島発の黒酢が大きく注目されてきています
福山の風土がもたらす力
霧島市福山町は黒酢のふるさとです。
この地に米酢づくりの製法がもたらされたのは、江戸時代後期の1800年ごろ。
島津藩政時代は、宮崎への中継地点として重要な商業地でした。
さらにもともと港町だったため、黒酢の原料となる良質な米が集まる場所でもありました。
清冽な湧水、温暖な気候に恵まれた土地は黒酢造りにうってつけだったのでしょう。
福山町では6〜7社が今も伝統製法にこだわって酢づくりを続けています。
なかでも、"桷志田"でその名を全国に響かせた福山黒酢へ。
ズラリと並んだかめ壺畑の隣にはレストランとショップが併設され、そこからかめ壺畑の見学もできます。
ここでつくられる黒酢・桷志田は、酢になってから2年以上熟成させたもの。
他の黒酢と比べても、コクやまるみを感じられる味わいが特徴です。
料理に使うもよし、水などで割ってドリンクにするもよし。
福山の自然と風土が生み出したパワーは、体の免疫力・抵抗力も高めてくれるそう。
利用しない手はありませんね。
黒酢本舗 黒酢レストラン アマン畑を眺めながら、桷志田(かくいだ)を用いた黒酢料理を味わえるレストラン。 食前酢やデザートにいたるまで黒酢が使われていますが、酸っぱいという感覚はほとんどありません。 これもマイルドな桷志田だからこそ。 ランチ以外に、季節ごとの果実で作った黒酢ドリンクも。 館内には直売コーナーもあり、桷志田やオリジナルのドレッシングが揃います。 所/霧島市福山町福山字大田311-2 電/ 0995-55-3231 営/ 8:30 〜17:00(レストランは11:00 〜15:00) 休/なし(年末年始・お盆除く) P/あり URL / http://www.kakuida.com |